遺産分割協議とは
遺産分割協議とは、相続人全員の合意で被相続人の遺産の分け方を決めることです。遺産分割協議書とは、遺産分割協議の内容を書面にして相続財産の決着をさせることをいいます。
被相続人の財産は、亡くなった瞬間に相続人全員の法定相続分の割合で共有していることになります。もし、相続人全員で共有している状態が続くと、この相続人の中で亡くなる方もでてきます。
例えば不動産のことを考えてみると、たくさんの人で共有していると売却する際には、共有者全員の合意が必要になります。法律上、自分の持分10分の1だけ売ることもできますが、現実には10分の1だけ買いたいという人はいないので共有者全員の同意が必要です。それを考えると不動産を相続する人を相続人の中から1人決めて、不動産を相続しない相続人は不動産以外の遺産を相続するとしたほうが将来のことを考えると良いでしょう。
不動産がいくつかあれば、「すべての土地を相続人全員が少しずつ持っている」というよりは「この土地は長男、あの土地は次男」と分かれていたほうが不動産を処分しやすいのです。
そのため、将来に面倒なことにならないようにするため遺産分割協議を行なって、相続人全員で誰が何を相続するかを決めていきます。そして、相続人それぞれが何を相続するのか決めて書面にしっかりと記して署名押印(実印)します。
この遺産分割協議が整うと、各人が思い通りに財産を処分する事ができるようになります。
もし、相続人同士でモメてしまって遺産分割協議ができない場合は、家庭裁判所に申し立てをして遺産分割を進めていく調停分割と審判分割という方法があります。
相続人全員で
遺産分割協議(遺産分割の話し合い)は必ず相続人の全員でしなければ無効です。ですから、相続人の調査はとても重要です。期間の経過や、再婚、養子縁組などで相続関係が複雑になる場合があります。また、相続人の中に次の方がいる場合は注意しましょう。
- 未成年者(親が勝手に子に代わって決めることはできません。特別代理人を選任します。)
- 胎児(当事者となれないので、とにかく生まれてきてもらうのを待つしかありません。)
- 認知症や精神障害者(成年後見人などの代理人を選任します。)
債務の遺産分割協議
債務も当然遺産に含まれます。たとえば銀行(債権者)からの住宅ローンなどの借金を銀行に言わずに勝手に遺産分割できるのでしょうか?
被相続人が死亡して相続が開始すると、遺産分割協議が成立していなくても、被相続人の債務につき、相続人が各々法定相続分に従って分割された額を当然に負担することとされています。
つまり、たとえば相続人の間だけで、1人の相続人だけが債務をすべて引き受けるといったような、「債務負担について法定相続分とは異なる割合で各相続人が負担する」内容の遺産分割協議が成立したとします。しかしその協議は、相続人の間でのみ有効となるだけで、債権者にはその内容を主張することはできません。また、遺言で債務承継の方法が指定されていたとしても、相続人に対しては拘束力がありますが、その内容を債権者には主張できないということになります。なぜなら、仮に相続人の間で任意に決めた債務負担の割合が有効になってしまうとします。その場合で、勝手に返済能力のまったくない相続人に債務をすべて負担させた場合、債権者は債権回収が不可能になる一方で、他の相続人は被相続人のプラスの財産のみを受け継ぐことができるようになり、債権者にとって大変不利な結果となってしまいます。
つまり債務は勝手に相続人だけでは決定できませんので、債権者に承諾してもらえるような遺産分割の内容になっているか注意する必要があります。
費用について
費用については、それぞれの遺産分割協議の内容や複雑さに応じて変わってきますので一概には言えませんが、基本的には次の費用がかかります。当事務所ではご依頼前に必ずお見積を提示させて頂いてからの依頼になりますので安心してご相談ください。
御見積だけの依頼でも結構です。
お客様の支払う合計額=
司法書士・行政書士の手数料 40,000~(司法書士・行政書士の手続き報酬です)
※遺産分割協議書のみの作成費用です。